先日、知人のご家庭に不幸がありお通夜に参列しました。
驚いたのはご導師の若さ。線も細く見た目はまだ20代と思われます。
40代の私から見ても十分若いのですが、故人から見るとおよそ60歳も年齢の差があることになります。
(そういえば、以前は茶髪の法中を見かけたこともありました)
決して年齢や見た目でありがたみを感じる訳ではありませんが、説法がいささか心に響かないのは、どうやら私だけでもなかったようです。
五木寛之 小説「親鸞」に学ぶ
話は変わって以前、お世話になっている真宗大谷派の住職と「小説・親鸞」について談義を交わしたことがあります。親鸞聖人については言わば本職の住職から見ても、この小説は非常に面白かったとのこと。
五木寛之さんの小説に描かれる親鸞は、一切煩悩の無い神のような存在ではなく、むしろ人間味たっぷりの人物です。そんな親鸞がやがて庶民に希望を与える存在になっていく姿は、感動を覚えるとともに、読み手の人生観にも大きな影響を与えます。
「価値観の違い」は相手と自分だけではなく、自分の中でも変化していきます。それは時代や環境の影響でもあり、また道徳や教養などを含む人としての成長でもあります。
そんな当たり前のことですが、なかなか普段意識することが出来ません。
ふと気付くと、自分の価値観を他人に押し付けている自分にハッとします。
親鸞を読んで感化されたはずなのに、若者の説法に耳を傾けられない私は、まだまだ精進が足らないのでしょうね。
「五木寛之さんの小説 親鸞」 まだ読んでいない方は是非おすすめの一冊です。
おまけ 焼香の方法について
ご焼香については、色々な方がいらっしゃることもあり、「どれが正しいの?」と疑問に思われる方も多いようです。
実は、宗派によってそれぞれ微妙に異なります。相手方の宗派に合わせるのが良いのですが、相手の宗派はそれなりの知識がないと解りませんよね。
それに、宗派ごとの焼香の作法を全て覚えるのも大変です。
ご住職曰く、「相手の宗派が解らなければ自分の宗派の方法で大丈夫。心を込めることが何よりも肝心」とのご説明でした。
立礼焼香のやり方
1.祭壇へ向かって進み、途中ご遺族に向かって一礼
2.遺影(ご本尊)に向かって一礼
3.親指、人差し指、中指で抹香(まっこう)をつまみ香炉にくべる
※額の高さにつまんだ手をあげることを「押しいただく」といい、宗派によりそれぞれやるやらないが異なります。また回数などは下記を参照ください。
4.次の方の為、抹香を右手で軽く均す
5.合掌
6.一歩下がり遺影(ご本尊)に向かって一礼
宗派 | 押しいただき | 回数 | 合掌先 | 数珠のかけ方 |
---|---|---|---|---|
日蓮宗 | 押しいただく | 定め無し | 遺影 | 左手にかけ両手で挟む |
浄土宗 | 押しいただく | 定め無し | 遺影 |
両手の親指と人差し指にかける |
真言宗 | 押しいただく | 3回 | 遺影 | 左手にかけ両手で挟む |
日蓮正宗 | 押しいただく | 3回 | 遺影 | 左手にかけ両手で挟む |
臨済宗 | 定め無し | 1回 | 遺影 | 左手にかけ両手で挟む |
曹洞宗 | 1回目のみ押しいただく | 2回 | 遺影 | 左手にかけ両手で挟む |
天台宗 | 押しいただく | 定め無し | 遺影 | 左手にかけ両手で挟む |
浄土真宗 本願寺派 | そのまま落とす | 1回 | ご本尊 | 両手にかける |
真宗大谷派 | そのまま落とす | 2回 | ご本尊 | 両手にかける |
創価学会 | 押しいただく | 3回 | 遺影 | 左手にかけ両手で挟む |
※同一宗派に於いても、寺により異なる場合もあります。詳しくは菩提寺にご確認下さい。