息子は回転すしの「サーモン」が大好きです。
良く回転すし屋のランキングでも3本指には「サーモン」が入っており、マグロを抜きトップとなる光景も見かけます。
そんなサーモン大好き息子と私との会話です。
その辺りの曖昧な記憶はさておき、カウンターのお寿司屋では、サーモンはない事や、目の前のサーモンは冷凍品だから食べられる事などを教えて帰りました。(汗)
と、そこまでは良かったのですが、帰ってから、あんな説明で良かったのかなー。じゃなんで、国産の解凍した鮭の寿司はないんだろう?ルイべとサーモンって全然違うよな?そもそもあいつらって本当に鮭なのか?・・・など、どんどん疑問が湧いてきましたので、まじめに調べてみました。
生の鮭は食べられないは本当か?
日本で鮭というと、白鮭(シロザケ)を表します。北海道でクマが捕まえている魚ですね。
白鮭は、成長や回遊の習性から4種類に分類されています。
- 秋に北海道・東北地方の川に戻ってくる「秋鮭」(別名アキアジ)
- 春に、北海道・東北沿岸に押し寄せる「時鮭」(別名トキシラズ)
- 数千尾に一尾と言われる貴重な「目近(メジカ)」
- 一万尾に一尾と言われる高級な「鮭児(ケイジ)」
これらの鮭は、日本では古くから「生で食べてはいけない魚」として言い伝えられています。
理由は、アニサキスやサナダムシが寄生している可能性があるからです。
これらの寄生虫は、嘔吐や腹痛という症状を引き起こし、大変危険であると認識されています。
日本で鮭と呼ばれる魚については、加熱、もしくは冷凍してから食べることを推奨しており、料理屋などに於いて生鮭を食す機会は先ずありません。
ルイべとは
「ルイべ」とは元々はアイヌの言葉で凍った魚やその刺身を表すそうです。
色々な冷凍品を総称してルイべという名前で売られていますが、一般にルイべと言えば鮭を凍らせたものを指します。
凍らせている理由は貯蔵に加え、寄生虫を死滅させる為です。
なぜか家族の記憶からは抹消されましたが、わさび醤油を付けて口に運ぶと、シャキッとした食感の後、とろける鮭がたまりません。
「半解凍見たい」と言う感想も否定はできませんが・・・
回転寿司のサーモンは、安心か?
回転すしのサーモンは、一旦冷凍してあるから寄生虫の心配がなく食べられると思っていましたが、それでは半分正解、半分不正解だったようです。
回転すしで、ネタに使用されているサーモンは下記の2種類が多いです。
アトランティックサーモン
世界でもっとも食されている鮭。輸入ではノルウェー産が最も多く、カナダ、チリなどがある。
トラウトサーモン
養殖魚のニジマスに、餌に着色剤を混ぜ元々の白身を黄色くしたもの。チリ産が多い。
日本でサーモンと呼ばれるものはほぼ100%養殖です。トラウトサーモンに関してはサケではなくマスですが、鱒(マス)もサケ科と言う事でこう呼ばれます。
ニジマスって川魚と思っていましたがこんな風にも利用されているのですね。着色剤など気になる点は多々あります。
私たちが良く行く回転すし屋は、アトランティックサーモンを使用していました。
ただ、色々調べていると、種類の表記がない回転すしも多く、上記以外のサーモン?を使用しているところも多々あるようです。(口を濁すお店もありますので)
寿司ネタの代替魚の話は良く聞きますし、コストと対比して理解はしているつもりですが、公開しないのは気持ちのいい話ではありませんね。
あと、冷凍だからOKの解釈は、少し異なるようで、「養殖場の徹底した管理により寄生虫は存在しない」という前提の様です。
これも甚だ疑問ではありますが。
一切冷凍しない、本当の意味での生サーモンと言うのが、それに該当するようです。
回転すし定番のサーモンが寿司屋にないのはなぜ?
回らないお寿司屋さんには、そんなに行く機会はないのですが、私の記憶では鮭(サーモン)の握りを見たことがありません。
ちょっと寿司屋さんに聞いてみました。
「江戸前鮨」とは、もともと東京湾で捕れた海産物を使った鮨のことを指します。
だから、古くから寿司ネタに鮭はなかったようです。
でも、時代の移り変わりはどんな業界にもあるようで、都内でもサーモンを置く寿司屋も増えてきたようです。
実際お客のリクエストもあるのだそうです。
(これだけ子供が好きになればそうでしょうね)
古くからのこだわりを持って仕入れない寿司屋、逆にお客さんの好みに合わせる寿司屋、裏メニューとして、リクエストのみに応える寿司屋など、それぞれ分かれるようです。
但し、仕入れてある場合でも何れも養殖の冷凍品の為、ネタとしての鮮度や高級感は期待できませんよ。
おまけ
11月11日は「鮭の日」です。
鮭の「圭」の字が由来だそうです。
「ルイべ」を食したことのない方、ぜひ日本の「天然サケ」を食べ比べて下さい。